Where Could I Go but to the Lord
When They Ring Those Golden Bells
1970年代から2010年代にかけて米国の第一線で活躍を続けたカントリー・ミュージックの第一人者が、エミルー・ハリスです。
当初はアダルト・コンテンポラリー・ミュージックのジャンルでも活躍し、リンダ・ロンシュタットおよびドリー・パートンとの共演もしていましたが(日本でも非常に有名なこのふたりと共演~曲によってはエミルーがメイン・ヴォーカルだった~というだけで、彼女の人気がいかにすごかったかおわかりいただけるでしょう)、その後カントリー・ミュージックを中心にロック・ミュージシャンとの共演も精力的にこなし、グラミー賞を複数回受賞しました。
そんな彼女が、1987年に発表したアルバムが「エンジェル・バンド」です。
今でこそゴスペルといえばアフリカン・アメリカンを中心に合唱団(聖歌隊)がリズミカルにアップ・テンポで踊りながら歌うというイメージ(映画「天使にラブ・ソングを」の影響があまりにも大きかったと思われます)が強くなり過ぎたため、伝統的なゴスペル(ゴスペル自体プロテスタントの間で静かに歌われていたものです)はクリスチャン・ミュージックと呼ばれ区別されるようになりました。
但し、このアルバムは映画「天使にラブ・ソングを」以前に発表されたものですので、当時ゴスペル・アルバムを代表する1枚になったのです。
私は時々カナダのカルガリーにあるクリスチャン・ミュージック専門チャンネルの放送をwebで聴いていますが、そこで流れる曲はカントリー・ミュージックやアダルト・コンテンポラリー、ソフト・ロックのスタイルで主への愛や感謝、信頼を歌い上げるものばかりで、このエミルー・ハリスのアルバムのナンバーも時々流れます。
この「エンジェル・バンド」に収録されている曲はいずれも古くからある聖歌と共通の雰囲気を持ち、交互に歌ったとしても違和感はないでしょう。
今ではクリスチャン・ミュージックとジャンル分けされていますが、ゴスペルとは本来このようなものだったのです。
上越聖書バプテスト教会教会員 山田 正