週刊 いのちの道(9)

そのころ、全世界の住民登録をせよという勅令が、皇帝アウグストから出た。
これは、クレニオがシリヤの総督であったときの最初の住民登録であった。
それで、人々はみな、登録のために、それぞれ自分の町に向かって行った。
ヨセフもガリラヤの町ナザレから、
ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上って行った。
彼は、ダビデの家系であり血筋でもあったので、
身重になっているいいなずけの妻マリヤもいっしょに登録するためであった。
ところが、彼らがそこにいる間に、マリヤは月が満ちて、男子の初子を産んだ。
それで、布にくるんで、飼葉おけに寝かせた。
宿屋には彼らのいる場所がなかったからである。

(ルカ2章1~7節)

イエス・キリストは、あらゆる面で過酷な状況の中でお生まれになりました。
まず、当時世界を支配していたのは、ローマ皇帝アウグストでした。
彼は、自らを神格化した独裁者でした。
また、クレニオがシリヤ地方の総督であった時代(紀元前4~6年頃)、
ローマの威光を背景にユダヤ人を支配していたのは、
幼児虐殺や身内の粛清で悪名高いヘロデ大王でした。
また、信仰生活においても、
権力やお金に擦り寄る宗教家たちが、民の心を縛っていました。

そのような時代、住民登録のため、
各自故郷に帰るようにとの命令が皇帝から出されます。
ナザレにいたヨセフとマリヤも、本籍地であるベツレヘムに行かねばなりません。
マリヤは臨月を迎えています。距離は百キロほど。
身重のマリヤをラクダに乗せ、乾いた地をゆっくり歩きながらの旅だったでしょう。
まだ10代の幼い身重の夫婦にとって、どれほど困難な旅だっでしょう。

さらに、世間の冷たさが若い二人にのしかかります。
やっと着いたベツレヘムは、すでに宿がいっぱいで、彼らの休む場所はなかったのです。
そこで彼らは、家畜小屋に行いきます。当時の家畜小屋は洞窟のような場所です。
そのような薄暗く、不衛生で、動物の臭いや鳴き声が充満する狭い場所で、
マリヤは月が満ち、イエスを生みました。
産婆さんもいなかったでしょうが、イエスは無事に生まれ、
布にくるまれ、飼い葉おけ(石作りのえさ置き台)の上に寝かされたのでした。

横暴な政治、困難な旅、世間の冷たさ、劣悪な環境・・・
神の子イエスは、どうしてこのような過酷な状況でお生まれになったでしょう。
それは、私たちの苦しみをその身に受け、担われるためでした。
イエスは私たちの苦しみを知るお方としてお生まれになったのです。
さらに、後になって、罪人の身代りとして
十字架の苦しみまでお受けになったのでした。

イエスは人の世の厳しさ、苦しさ、冷たさをご存知です。
だからこそ、私たちをあわれんでくださいます。
苦しみを知るイエスは、苦しむ私たちのそばにいて、
私たちを救ってくださるのです。

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  • 著名人の聖書観

    アーサー・ホリー・コンプトン
    (米国のノーベル物理学賞受賞者)

    「秩序正しく広がっている宇宙は、
    『初めに神が天と地とを創造した』という、
    もっとも荘厳なことばの真実さを証明する」

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